『子供と共存する職場』

私たちのお客様に、訪問するとテーブルで子供たちが本を読んだり、絵を書いたりしている会社があります。子供たちは、学校の帰りに会社へ寄ったり、夏休みになると一日中会社にいることがあります。見ていると違和感がなく、その環境の中で社長や社員の方たちが仕事をしています。訪問するたび、とても微笑ましく思っていました。女性社員が子供の様子が分かるので安心なのでしょう。社長も子連れ出勤を認めています。

今年の1月、私たちの会社で産休を取っていた女性社員が、確定申告を前に職場復帰をしたいと相談に来ました。しかし、待機児童問題のため保育所の空きがないとのことです。私は子連れ出勤を認めてみたいという考えがありました。幸い、和室があるのでそこへ0歳児を連れてその女性社員は職場復帰を果たしました。会社としては確定申告を前に、経験がある社員の復帰はとてもありがたいことです。

0歳児の笑顔は職場を明るくし、和やかな空気を作ってくれました。仕事中、見守る社員たちはとても癒されています。現在では、0歳児と一緒に出勤する女性社員の光景が定着しています。泣き声も聞こえてきますが特に気になることもありません。少しの時間、他の社員があやしたりもしています。最近では、男性社員も学校帰りの子供を連れてきてくれました。ちょっとした時間でも会社で預けられたら、家族はとても助かるのです。

今年は、2名の女子社員が産休に入ります。貴重な社員ですから、産休が空けたら職場復帰をしてもらいたいのです。今回のケースが足掛かりとなり、子供が共存する職場になれば良いと考えています。子供の安全を職場内でどう確保するかという大きな課題はあります。企業は、仕事優先で成り立っていた側面があります。経験や能力のある人が子供を預けられずに働けなくなる環境を少しでも改善できないものかと模索は続きます。

『経営者保証なしで融資を受けられる可能性』

経営者保証ガイドライン

これは、中小企業庁と金融庁の後押しで、日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会が事務局となり、経営者保証を提供せず融資を受ける際や保証債務の整理の際の「中小企業・経営者・金融機関共通の自主的なルール」として策定・公表されたガイドラインです。

個人保証を提供しなくても融資を受けられる可能性が

経営者保証ガイドラインです。

経営者保証ガイドラインにて、中小企業に求められる経営状況は3つです。

①法人と経営者個人の経理・資産が明確に分離されている

②財務基盤が強化されていること

③財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示により経営に透明性があること

分かりやすい説明はこちら ⇒

『経営者保証ガイドライン』について、金融庁が地域金融機関に対して相当強いプレッシャーをかけていくことが予想されます。

特に書面添付を活用した適時適切な情報開示による支援等、地域金融機関は今後、ますます税理士との連携を深めていくことが予想されます。

経営者個人が負う保証債務は、事業承継の障壁となる場合が多いです。

経営者が知っておくべき情報です。

『見ない人には存在しない運命の岐路』

TKC創設者 飯塚毅先生

『電算機利用による会計事務所合理化』復刻版P3より抜粋。

TKC全国会坂本孝司会長が、ぐんま秋期大学の講演にて重要な内容をご講演された。その中で、

を題材にされた。その内容はとても心に残りました。以下記載します。

あるものを認識し得ない人達にとっては、そのものは実在しない。細菌の恐ろしさを認識し得ない人にとっては、細菌の恐ろしさは実在しない。いまここに運命の岐れ路があると、認識できる人にとっては、運命の岐れ路は実在するが、足下に、運命の岐れ路を読み取れない人にとっては、自分がいま運命の岐れ路に立っているとの実感はない。

幸か不幸か、運命は無形である。自分の足下に、無形である運命の岐路が横たわっていると直感できる人は幸いである。

その人は、没落消滅の非運を泣かずに済むからである。電算機の猛烈な普及浸透が絶対不可欠の時代だと識って(しって)割り切ったとき、自分の足下には、運命の岐路が歴然として横たわることを知らねばならぬ。

遅れることの意味と価値とがあるならば遅れるのも良い。だが遅れることは、時代から遅れることであり、それだけ、自分の問題解決を先へ先へと押しやっているに過ぎない。そのことは、自分の運命が回復困難なところまで、刻まれてしまう成りゆきを放置しておくことを意味する。

 

人は皆、何かを決断した時、決断するときがあります。

 

胸に刻んでおかなくてはなりません。

 

粉飾決算は身を亡ぼす

振り袖の販売レンタル業『はれのひ』。

今年の成人式を前に突然店を閉じ、多くの新成人が晴れ着を着られなかったことが問題となりました。

その後、同社は破産となり、返済のあてのないまま売上高を粉飾した決算書類で銀行から融資を受けたとして、篠崎社長は詐欺容疑で逮捕されました。

帳簿

具体的にどのように粉飾決算をしたかは不明ですが、

仮に報道にあるように、架空の売上高を計上したとすると、

仕訳は、

(借方)売掛金 5,000万円 (貸方)売上 5,000万円 という仕訳になります。

この売掛金が回収されて初めて売掛金が現金になるのですが、架空の売上のため回収されることはないです。

金融機関は決算書の内容を信頼して融資を行ったのでしょう。

そこで、架空の売掛金の回収状況を精査することになりますが、回収されたと見せかけるため、売掛金の消込を行うことになります。

通常であるならば、

(借方)現金預金 5,000万円 (貸方)売掛金 5,000万円

となるべきところを

(借方)銀行借入金 5,000万円 (貸方)売掛金 5,000万円

という仕訳をきったらどうなるでしょう。

これは、返済していない借入金を回収されない(架空の)売掛金と相殺しています。

おそらく、複数の金融機関と取引があったであろうと予測されますので、A銀行に出す決算書には、A銀行の借入残高は正確な金額を載せて、B銀行の借入金を売掛金と相殺することにより銀行借入金を少なく見せかけてA銀行から融資を取り付けていたことが考えられます。

この仕訳を計上することで、架空売上 5,000万円の利益がそのまま決算書に計上されることになります。

この手法で、他の銀行にはその銀行用の粉飾された決算書が出されていた可能性があります。

銀行はこの粉飾決算書を信用して、融資を実行することになります。

仕訳は、

(借方)現金預金 5,000万円 (貸方)銀行借入金 5,000万円

となり、『はれのひ』の口座に5,000万円が入金されます。

そして、この5,000万円が社長の給与などに充てられていたとみられます。

このことが、今回の詐欺容疑となったのです。

これは、粉飾決算の一例ですが、一度粉飾決算に手を染めると、決算書を良く見せようとすればするほど、粉飾の金額が積み上がり、つじつまが合わなくなります。

粉飾決算は身を亡ぼすことになるのです。

黒字割合50%超

TKC全国会の会員顧問先の黒字割合は52.9%だったことが、6月1日公表の『TKC経営指標(BAST)』で分かった。黒字割合は4割に落ち込んだリーマン・ショック直後を底に8年連続で上昇している。BASTは年商100億円以下の中小企業の経営成績と財政状態を分析したもの。昨年1年間にTKCの財務システムを利用して決算をした企業が対象で、今回は24万490社の業績を分析した。(2018年6月15日号税理士新聞より抜粋)。

会計

私たちTKC会計人は、お客様の継続して黒字企業になることを願っています。

①毎月の巡回監査

②継続マスシステムによる経営計画策定支援

③書面添付制度による決算書の信頼性の向上

会計で会社を強くする取組みを実践しています。

 

複式簿記の力

ルイ14世は、当時経済を良くしないと国家財政が破たんするという状況の中で、彼は商法の原点にあたるもの(フランスの商事王令)をつくるよう指示しました。

これを受けたサヴァリーがサヴァリー法典をつくり、そこには、経営者が倒産したとき、裁判所に複式簿記を提出できない者は死刑に処すというものでありました。当時偽装倒産が横行していたフランス社会において、このサヴァリー法典により一掃されていきました。その百数十年後、ナポレオン法典になりヨーロッパの経営者は複式簿記を学ぶことをしたのです。

日本における複式簿記は、1600年、境の商人にポルトガルの宣教師が数学を教え、この数学こそが簿記であったと言われています。

ヨーロッパでは簿記を、日本でいう簿記そろばんではなく、経営管理数学といっていたのです。18世紀から19世紀に掛けての近江商人の中に、複式簿記を取り入れていたという事実があり、『中井家帳合の法』といわれるものがすでにありました。さらに江戸の末期、アメリカに渡った福沢諭吉がアメリカの教科書を写して翻訳したのが、簿記最初の本、帳合之法でありました。

福澤

渋沢栄一は、銀座で商法講習所をつくり、複式簿記を教え、それが今日の一橋大学になっています。日本では、大正のころには商業高校をつくっています。なにも大学に行った人たちだけではない、普通の人にも簿記を学ばせています。アジアの国は、現在も複式簿記が入っていません。中国のほとんどの企業はいまだに売上伝票と仕入伝票だけで、日本の国家や自治体が行っている歳出と歳入予算だけでやっています。減価償却概念がなく貸借対照表を持っていないのです。中国企業と日本企業と決定的に差があるのは、この複式簿記がないことです。

渋澤

何を売って儲け、どの資産を活用して儲け、何を購入して損し、何を購入して得をしたかをこの複式簿記を持ってきれいに分かるわけです。日本で当たり前に使っている複式簿記こそ、日本が一番早くアジアの中でマスターしたものです。ヨーロッパはサヴァリー法典が定着し、複式簿記により、経済の発展を遂げたといわれています。

アジアでは、日本だけが複式簿記を早くから知っています。まさに複式簿記は日本が生んだアジアの中での『強み』であり、複式簿記をアジアに広めることで、アジア経済の発展に繋がると思うのです。

赤字が続く場合の対処法

日本の中小企業は、約7割が赤字と言われています。赤字が続いて、経営計画を立てたのですが一向に赤字が減りません。なぜでしょう。赤字の素は何なのでしょうか。それは、固定費です。経営計画を作っても赤字になるのです。赤字の原因は固定費にあります。

①固定費が赤字の素

会社の費用には、大きく分けてふたつあります。それは、固定費と変動費です。固定費とは、売上高に連動しないで掛かってしまう費用です。変動費とは、売上高に連動して掛かる費用です。固定費は、売上高に変動しないので固定費といいます。固定費がなければ赤字はありません。

売上高    0 ならば

変動費  △ 0 になり

固定費  △ 0 ならば

利 益    0 となる

固定費がなければ、赤字になりようがないのです。赤字の原因は固定費なのです。しかし、固定費が全くない会社などありえません。売上を上げる為には経費を掛けなくてはなりませんから、固定費のない会社をつくらなくてはいけないというのではなくて、経営計画を立てるときには、原則的に費用は、固定費よりは変動費に出来ないか考えようということです。赤字脱却の道は、固定費を考えずに変動費にしようということです。赤字を防ぐには出来るだけ変動費にするということに気づくことです。

②経費の変動化へのコツ

経費を変動費にするためには、工夫が必要です。人件費を考えてみましょう。固定給ならば、固定費になります。歩合給ならば、変動費になります。賞与は、利益が出たら払い、利益が出なければ払わない。年二回の賞与は、固定費の要素が高いので、年二回の固定賞与よりも決算賞与にします。決算で目標利益が出たら支払うようにする。これによって、人件費を変動費化させることです。

現在は、週休二日が定着しています。休日を計算してみると、稼働日数がおおよそ20日です。月によっては、18日の月もあります。18日稼動になると月30日の場合、3対2(稼働日18日、休日12日)です。全体の給料のうち、5分の2は、休日の分を支払っています。固定給にウエイトがあると、企業はいかに大変かということがわかると思います。

さらに、アウトソーシングをします。社内でやらないで、外に頼むことも考えていきます。突発的な仕事は、外注に頼む。これが変動費です。あるか判らない仕事の為に、従業員を雇用しておくことは考えなくてはなりません。外注だと一件いくらと値段が付きます。社内だと一件いくらとは値段はつきません。社内でも一件いくらと値段をつけると変動費化できるのです。

③経営計画を立てる

固定費がなければ、赤字がないことが判りました。固定費よりは変動費のほうが良いのです。変動費経営が赤字の続く場合の対処法です。そのためには、経営計画を立てて黒字になるにはどうするか考えなければなりません。経費をどう見積もるかがカギとなります。そのためには、経費の予算を3つに分けていきます。

(イ)必ず必要な経費

(ロ)状況によって掛ける経費 

(ハ)調子がいいときに掛ける経費

(イ)は固定費の要素が非常に高いので、慎重に見積もることです。(ロ)(ハ)は、変動費の要素が高いので、業績を見ながら掛けていく経費です。(イ)の必ず必要な経費を出来るだけ少なくすることが赤字対策です。(ロ)(ハ)を掛けられるようになれば、業績が上がっている証拠です。経営計画を作っても赤字になります。赤字の素である固定費を全て減らしてしまうのではなく、変動費に出来ないか検討します。

赤字になってしまえば、会社の存続はありません。当たり前ですが、固定費を変動費に変えることが赤字の続く場合の対処法なのです。

税理士法人キャンバスでは、戦略MGゲーム研修を開催します。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

妻に手厚く・・・相続法改正

あきない

キャンバス通信75号

民法の相続の仕組みが、約40年ぶりに見直されることになりました。政府は、2018年3月13日に国会へ『民法の相続分野を見直す改正案』を提出しました。その中の柱が、配偶者の保護を手厚くするということです。夫が亡くなり、妻がそのまま家に住みます。その住むときに居住権をはっきりさせてあげようという改正です。さらに、財産を法定相続分で分けるときに、妻に少しでもやさしくなるようにするにはどうしたらよいか・・・。

例えば、自宅の評価額が2000万円、預貯金が3000万円、合わせて5000万円が相続財産という家庭を考えてみましょう。今までは、自宅2000万円は妻のものだから妻が相続してください。預金3000万円を500万円が妻、2500万円が子供というように合計で5000万円の半々になるように分けました。そうすると、500万円では妻の老後の生活資金が不安です。預貯金が重要なのは子供より妻ではないか・・・。

そこで、自宅の2000万円をふたつに分けようという考え方ができまして、一つを居住権=住む権利。もう一つは所有権=持っている権利とします。これが今回の民法改正案です。居住権は妻のもの、残りの所有権を子供がとる。預貯金を半々にとると2500万円ずつになる。法定相続分 妻1/2子供1/2になります。妻は住む権利は確保しながらも、かつ預貯金が増えて半分になるということです。

もともと、法定相続分通りに相続すればということですから、妻が全部相続すると決めてしまえば、今回の改正については影響がありません。さらに実務的には居住権をいくらで評価するのかという問題があります。居住権には、売却などの権利がないので将来的に介護施設などに入所を考えている場合などは慎重な検討が必要です。この他にも、今回の相続法改正において配偶者の遺産分割にも配慮しています。妻にやさしい相続法改正となっています。

純資産の部は資本金と利益でできている

全国会

簿記は対になっているので、貸借対照表(B/S)は、借方に資産、貸方に負債と純資産が表示されています。貸借対照表を見たときに純資産の部は向かって右角になります。

貸借対照表は、一定時点の財政状態を表しています。会社設立から現在までの会社の姿を表しているといっても良いでしょう。

純資産の部は、大まかにいうと 資本金と利益でできています。つまり、純資産の部の合計額から資本金を差し引いた額が、会社のこれまでの利益ということになります。

会社が仮に10期であればこの利益を金額を10年で割り返してみましょう。平均すると1年でいくらの利益を計上してきたか分かります。

資本

上記の純資産の部は、2期比較となっていますので、左側が前期、右側が当期の金額になります。

TKC全国会 TKCシステムフォーマット・サンプルより引用

損益計算書は、一定期間の経営成績を表しています。一定期間ですから、通常一年間(その期)が儲かったか損したかを表しています。

この損益計算書の利益(損失)が毎年この貸借対照表の純資産の部の利益に積み上がっていきます。損益計算書と貸借対照表はこうして繋がっているのです。

簿記は対になっている

初めて簿記を学ぶ大学生には、『簿記は対になっている』ということを話しています。まず、借方と貸方という対があります。

よくわからない事項についても、借方と貸方を常に考えていくと理解しやすくなります。借方と貸方の一方でもわかると、簿記は対になっているので間違えを防ぐことができます。

次に、貸借対照表と損益計算書という対です。それぞれの勘定科目が、貸借対照表の科目なのか、損益計算書の科目なのかを考えて学習を進めてください。

そして、資産と負債(および純資産)や収益と費用という対です。貸借対照表の中には、資産科目と負債科目(および純資産科目)という対があり、損益計算書の中には、収益と費用という対があります。

例えば、収益科目が借方にくる場合や、費用科目が貸方にくる場合は、それなりの理由があります。このような場合に、違和感を感じ取り、理由があってそうなっているのか、間違っているのかに気付くと理解しやすくなります。