妻に手厚く・・・相続法改正

キャンバス通信75号

民法の相続の仕組みが、約40年ぶりに見直されることになりました。政府は、2018年3月13日に国会へ『民法の相続分野を見直す改正案』を提出しました。その中の柱が、配偶者の保護を手厚くするということです。夫が亡くなり、妻がそのまま家に住みます。その住むときに居住権をはっきりさせてあげようという改正です。さらに、財産を法定相続分で分けるときに、妻に少しでもやさしくなるようにするにはどうしたらよいか・・・。

例えば、自宅の評価額が2000万円、預貯金が3000万円、合わせて5000万円が相続財産という家庭を考えてみましょう。今までは、自宅2000万円は妻のものだから妻が相続してください。預金3000万円を500万円が妻、2500万円が子供というように合計で5000万円の半々になるように分けました。そうすると、500万円では妻の老後の生活資金が不安です。預貯金が重要なのは子供より妻ではないか・・・。

そこで、自宅の2000万円をふたつに分けようという考え方ができまして、一つを居住権=住む権利。もう一つは所有権=持っている権利とします。これが今回の民法改正案です。居住権は妻のもの、残りの所有権を子供がとる。預貯金を半々にとると2500万円ずつになる。法定相続分 妻1/2子供1/2になります。妻は住む権利は確保しながらも、かつ預貯金が増えて半分になるということです。

もともと、法定相続分通りに相続すればということですから、妻が全部相続すると決めてしまえば、今回の改正については影響がありません。さらに実務的には居住権をいくらで評価するのかという問題があります。居住権には、売却などの権利がないので将来的に介護施設などに入所を考えている場合などは慎重な検討が必要です。この他にも、今回の相続法改正において配偶者の遺産分割にも配慮しています。妻にやさしい相続法改正となっています。

投稿者プロフィール

toshi
toshi
埼玉県上尾市で税理士法人キャンバスの代表をしています。
西上尾コンドルズスポーツ少年団の代表をしています。
拓殖大学商学部非常勤講師を務めています。
埼玉県立上尾高等学校野球部出身です。
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